遺言書の種類と作成方法
ここでは、遺言書の種類と作成方法について解説していきます。
遺言書の種類には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3つがありますが、一般的に用いられるのは、自筆証書遺言と公正証書遺言です。そのため、遺言書の作成方法はこの2つについて解説します。
●自筆証書遺言
自筆証書遺言とは、遺言者(遺言書を作成する人)が遺言書の全文や日付、氏名を全て自分で作成(自書)する遺言書のことをいいます。
自筆証書遺言のメリットは、
・作成したことを話さない限り、誰にも知られることなく作成することができる
・作成費用がほとんどかからない、手軽に作成することができる
であり、遺言書を作成する方の8~9割は自筆証書遺言で作成するといわれています。
他方、デメリットとしては、
①方式不備で遺言書が無効となるリスクが高い
②遺言書が発見されない危険性や偽造・変造される危険性がある
③遺言書の紛失や、他人によって隠匿・破棄される危険性がある
④相続開始後に家庭裁判所の検認手続きが必要
⑤全て自分で作成しなければならないため、負担が大きい
があります。もっとも、デメリットの②~⑤は、平成30年相続法改正によって改善されました。
平成30年相続法改正によって自筆証書遺言に次の2点の変更がありました。
・法務局における自筆遺言証書の保管制度の新設
これは、法務局で遺言書を保管してもらえる制度で、上記デメリット②~④の対策です。2020年(令和2年)7月10日以降に利用することができます。
・自書要件の緩和
自筆証書遺言の場合、基本的には全て手書きで作成しなければなりませんが、今回の改正により、財産目録(誰がどの財産を相続するのかを具体的に示した項目)については手書きである必要がなくなりました。これにより、パソコンや不動産の登記事項証明書等を添付する方法により、財産目録を作成してもよくなります。
●公正証書遺言
公正証書遺言とは、公証役場で公証人と一緒に作成する遺言書のことです。
公正証書遺言の特徴としては、方式不備による遺言書無効となるリスクがほとんどなく、検認手続きも必要ない一方で、遺言書作成の費用がかかり、遺言の存在と内容が外部に知られる恐れがあるという点にあります。
遺言書が無効になるリスクを少しでもなくしたい場合は、公正証書遺言で作成することをおすすめします。
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