遺言書の効力|有効期間や無効になるケースなど
遺言書は、被相続人の意思を相続に反映させるために重要なものです。
しかし、遺言書は正しく作成しないとその効力を発揮できません。
今回は、遺言書の効力と有効期間や無効になるケースなどについて解説します。
■遺言書の効力
遺言書が効力をもつためには民法の規定に従わなくてはなりません。
遺言書にはいくつか種類がありますが、不安であれば、公正証書遺言や弁護士と一緒に遺言書を作るなどすることをおすすめします。
遺言書の効力は以下に及びます。
・推定相続人の排除
虐待を受けていたなどの相続人の欠格事由に該当する法定相続人を相続人から排除できます。
ただし、民法に認められた欠格事由に該当する場合のみ排除できるという点に注意が必要です。
・相続分の指定
財産をどの相続人にどれだけ相続させるかを被相続人が決められます。
遺留分の侵害を起こさないように注意が必要です。
・遺産の分割方法を決定
遺産の分割方法を被相続人が指定できます。
被相続人が直接指定できるほか、分割方法を第三者に委託することも可能です。
また、相続の発生から5年以内であれば、遺産の分割を禁止することも可能です。
・遺贈
法定相続人ではない個人や団体に、財産を贈ることも可能です。
ただし、法定相続人の遺留分を侵害しないように注意が必要です。
・子の認知
婚姻関係にない内縁の人との間にできた子を遺言書で認知できます。
・後見人の指定
子が未成年であったときのために後見人を指定できます。
・担保責任の指定
相続の遺産によっては、相続人が担保責任を負う場合もあります。
こうした場合に、だれが担保責任を負うのか、複数人で負う際の負担割合などをも指定できます。
・遺言執行者の指定
遺言執行者とは、相続を行うにあたって、さまざまな手続きを担う人のことを指します。
登記の変更などの必要な手続きを行います。
この手続きを担う人を指定できます。場合によっては第三者に委託もできます。
■有効期間
遺言は、原則として被相続人が亡くなったときから効力を有します。
また、遺言書に有効期間はありません。
10年前に書いたものだから無効であるというようなことはありません。
■無効になるケース
遺言書は、書き方を間違えてしまうとそれだけで遺言書が無効となってしまう可能性があります。
無効になるようなケースとしては以下のようなものが挙げられます。
・自筆証書遺言の財産目録以外をパソコン入力してしまった
自筆証書遺言において、自筆でなくてもよいとされているのは財産目録のみです。
本文までパソコンで入力してしまうと無効となる可能性があります。
・公正証書遺言を証人がいない状態で作成してしまった
公正証書遺言を作成するには、証人が二人以上必要です。
そのため、例としてはあまり多くはありませんが、証人がいない、もしくは、一人しかいなかった状態で作成された遺言書は無効と判断されます。
また、証人が離席しているタイミングで作成してしまった場合も同様です。
その他にも、遺言書が無効と判断されるケースは存在します。
不安な方は遺言書の作成を弁護士と一緒に進めていくことをおすすめします。
■まとめ
今回は、遺言書の効力と有効期間や無効になるケースなどについて解説しました。
遺言書は、被相続人の意思を相続に正確に反映するために重要な役割を担います。
しかし、遺言書が効力を有するためには、民法の規定に従わなくてはなりません。
個人で作成もできますが、少しでも不備があると遺言書の全てが無効になりかねません。
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