相続人が行方不明の場合
■相続人が行方不明の場合に生じるトラブル
相続手続きにおいては相続間で誰がどれだけどの財産を相続するのかを話し合いで決める、遺産分割協議を行う必要があります。
この遺産分割協議には相続人全員の同意が必要であるとされています。そのため、相続人の誰かが行方不明である場合は、遺産分割協議を行うことができません
さらに、遺産分割協議の結果をまとめた遺産分割協議書がなければ、自身の法定相続分の3分の1 又は150万円のいずれか低い方の金額を超えて被相続人の預金を引き出すことができません。
また、遺産分割協議書がなければ相続登記をすることもできません。
■相続人が行方不明の場合の解決策
・生きているのがわかっているが、住所がわからない場合
住所がわからない場合には、戸籍が存在する市区町村役場の市民課で、戸籍の附票を取得しましょう。
戸籍の附票を取得することで、現在の住所登録がどこにあるのかを確認することが可能です。
戸籍の附票を取得するためには、合理的な必要性が認められなければなりません。
相続のために戸籍の附票を取得が必要であることを裏付けるために、住民票や戸籍など被相続人の死亡等を明らかにできる書類を準備する必要があります。
・戸籍の附票を確認しても、現住所がわからなかった場合
戸籍の附票を確認しても、住民票を移しておらず、記載されている最後の住所地に住んでいない可能性もあります。
このように、連絡をしても遺産分割協議ができない場合であれば、家庭裁判所に請求を行い、不在者の財産管理人を設置することが考えられます。
行方不明の相続人に代わって財産管理人が遺産分割協議に参加することで、遺産分割協議を行うことができます。
・行方不明の相続人が生きているかもわからない場合
行方不明の相続人が生きているかもわからない場合には、失踪宣告という制度を利用することが考えられます。
失踪宣告は不在者の生死が7年間明らかでない場合、利害関係人が請求し、失踪宣告がなされると、生死不明の状態が始まってから7年後に死亡したものとみなされます。
また、死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、危難が去った後1年間明らかでない場合、利害関係人が請求し、失踪宣告がなされると、危難が去った時に、死亡したものとみなされます。
また、認定死亡(戸籍法89条)によって、死亡したことは確実だが、遺体が確認できない場合に、警察等の公官庁などが死亡の報告をすると、戸籍上死亡したものとして取り扱われます。
このように、失踪宣告や認定死亡の制度によって、行方不明の相続人が死亡したものとされる場合には、行方不明の相続人が参加しなくとも遺産分割協議を行うことができます。
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