独身の人は誰に相続する?法定相続人の順位や事前にできる対策など
民法890条の規定によると、被相続人の配偶者は、常に相続人となると規定されています。
しかし当然のことながら、独身のまま亡くなってしまう方もいらっしゃいます。そこで配偶者がいない場合の相続はどうなるのかというご質問をいただくことがあります。
本ホームページでは、被相続人に配偶者がいない場合にどうなるのかについて解説をしてきたいと思います。
◆法定相続人の順位と相続割合
被相続人に配偶者がいない場合には、直系尊属や直系卑属、兄弟姉妹に相続権が付与されることとなります。
尊属とは自分よりも先に生まれた親族のことを指し、父母や祖父母などが尊属にあたります。卑属とは尊属の逆であり、自分よりも後に生まれた親族のことを指し、子どもや孫が卑属となります。
自分の子ども及びその代襲相続人は第一順位の相続人となります。
もっとも、配偶者のいない被相続人に直系卑属がいる場合とは、相続発生時に既に離婚しており、元配偶者との間に子どもがいたようなケースとなります。
再婚した場合には配偶者は常に相続人となるため、直系卑属の法定相続分は相続財産の2分の1となりますが、独身のまま亡くなってしまった場合には、直系卑属が被相続人の財産を全て相続することになります。
直系尊属となる父母や祖父母は第二順位の相続人となります。
直系尊属の法定相続分は、被相続人に配偶者と子がいない場合には全てを相続することとなります。
兄弟姉妹は第三順位の相続人となります。
兄弟姉妹の法定相続分は、被相続人に配偶者と子、尊属がいない場合には全てを相続することとなります。
そして被相続人に配偶者も子もおらず、直系尊属が複数いる場合には均等に分配となります。同様に、被相続人に配偶者も子も直系尊属もおらず兄弟姉妹が複数いる場合には均等に分配となります。
◆相続に関して事前にできる対策
相続人が多くいる場合には、相続財産をどのように配分するかで揉めるケースが多くなっています。
そこで被相続人としては生前に何かしらの対策をした方が良いでしょう。
相続財産の配分の中で特に揉めやすいのが不動産です。
土地や建物に関しては、法定相続分に応じて不動産が共有状態になります。
しかし不動産が手に入った場合であれば、その一部ではなく全部を使いたいというのが所有者の合理的な意思であり、これが原因で揉めるというケースが非常に多くなっています。
そこで、被相続人としては事前に不動産を売却し、現金化しておくことで、分配がしやすいようにしておくことをおすすめいたします。
また、相続財産が過大である場合には相続税が多くかかってしまうため、生前贈与などによってあらかじめ財産を渡しておくことによって節税対策につながります。
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